僕にとってのターニングポイントは、いつだって季節の変わり目でありたい。例えば春雷が鳴り響いても、事を諦めるには丁度良い雨だと思いたい。何かを始めたり終わらせたり、継続のその決意でさえも、季節に合わせてゆけばきっと上手く運ぶような気がする。それは僕の場合に限って、という話。
自然消滅だなんて思っているのは、自分勝手なあいつだけだよ。笑い話にしたいのか、どんな泣き方をしたら良いのか分からないだけなのか、君はそう言って許容量を超えるアルコールを流し込んだ。僕は無粋にそれを咎めるような真似をせず、いつもと変わらない相槌を打つ。君の切っ掛けが僕の言葉になってしまわぬように、あんたは背中を押してもらって狡いよ、と零されても、よく知っているな、としか返さなかった。どうせ何を言っても、君は酔いに忘れて僕だけが覚えている羽目になるのだ。どっちが狡いのだか。
君は君のタイミングで受け入れたり泣き出せば良いよ。僕はすぐそこにある春の終わりを待っている。