2006-03-14 ■ 「二十七歳なんて、まだまだだよな」 誰かの強気な台詞に意地の悪い返事だと思いながら、築二十七年目のマンションには住みたくはないよ、と笑った。 ずっと昔に引いた境界線があって、それを跨ぐ度に新しい境界線を定めている。限界は二十三歳まで、なんて話していた頃を懐かしく思うよ。覚えていたくはなかった記憶だよな。 漠然と描いた未来に、何かがあると信じていたわけじゃない。 ただ、何かが欠けてしまうなんて想像出来なかっただけ。 本当にそれだけだったんだ。