もうすぐ、とはいっても一年以上はあるのだけれど。
それでもそう多くはない時間が経ってしまえば、僕らの二十代は終わってしまう。その時には「三十路の世界へようこそ!」なんていう周りからの台詞に、どんな返し方をも用意していなかった僕らは、ヘラヘラと笑っているに決まっている。
そこまで話した後、初めて君が「憂鬱だろ」と訊いてくるから、帰り際になんという残酷な話を聞かせるのだと笑った。あいつは狡いなあと思いながら、大袈裟に笑った。