もっとグーダラしていたかったなあ、と連休が明けてから思った。
千枚ちょっと。この数日間でそれだけの数の写真を撮った。妻と娘、子供の日の動物園、近所の公園やそこに咲く桜。散歩日和の晴れた空と、その後で雨に濡れた道路だとか。そういえば春雷が鳴って、初めて雨が降っていたことに気づいたんだっけ。そして虹を見つけて誰よりも高揚した。昔は簡単に見つけられたはずの虹なのに、現在こうして古いアルバムを捲っているような気分になってしまうのは、あの頃のように上を見ながら歩いていないせいなのかもしれない。そんな気がした。


虹の麓には階段がある。そんな嘘をついたのは僕の父だ。
それを幼少時代の僕が信じたのかどうかは別として、いつか同じ話を娘に聴かせてみたい。絶滅した月の兎やサンタクロースなんかよりも、ずっと素敵な嘘だ。