スターマインが鳴る夜空。
あの日と同じ高架下で、あの日と同じように声を嗄らせるためビールを浴びて。頭上を走る電車の騒音が沈黙をもたらす瞬間だけ、居心地の悪さを表情に浮かべている。
まだ話してはいない君との挿話なんてあったかな。そう振り返ってみるけれど、忘れているのならそのままで良いとも思ったんだ。いつかみたいに花火の向こう側の月を見つけて、あれが三十日月なのか?って笑うから。不自然につくるよりは被害者面をするほうが楽だったなんて、そんなクソッたれな台詞にだって、こうして酷く笑うから。君に偏り過ぎていた。さよならは、君の為に用意した言葉なんかじゃなかったのに。だけれど、レールの擦音がまた僕らを黙らせるんだ。そんな時は何を笑えば良いのかな。