いつかは何も思わなくなってしまうから、その前に自分自身で整理をしておきたいだけなの。言葉はひどく脆弱なものを選びながら、だけれど凛とした声で君は言った。色を褪せさせるだけの時間や、今さらの正論を持ち出してくる他人の言動なんかに、感情を奪われるのは悲しいことなんだと。僕らは、あの頃の僕らは、全てを言葉として吐き出せるのなら、その後でこの咽が潰れてしまっても構わなかった。誰かを呼ぶ声は、出来るだけ届かないほうが良かった。衝動だけなら、まだ押さえられるだろう?
自分勝手に好き嫌いを並べては、笑っていられた日々を覚えている。
全てがそんなふうに単純だったらと思う。