春雷から逃げるように走った。
咽が渇いたからと焼酎ロック。バーボンロック。弱音を吐いて烏龍茶。いったい何杯目で飛んでいったのだろう。記憶はレッドアイの存在意義を語ったところまで。どうしようもない箇所で途切れているから、目覚めたこの場所がどこかなんて知りたくはなかった。
僕らは勝手に朝陽を浴びて、勝手に憂鬱になりながら、前にも似たようなことがあったなと笑った。あの時は何から逃げていたのかな。もしかすると追いかけていたのかもしれない。だとすれば悲しいな。曖昧なままにしておきたかった僕は、帰ろうと言った。