君へと伝染する欠伸が愛おしくて、笑った。
短い春陽。吐息はまだ白さを覚えていながら、時々、この街はそんなふうに彩ることがある。花や草木は彩ることをまだ思い出していないから、代わりに鳥や僕らが欠伸をするしかない。
春が来るずっと前から暁を覚えられなかったくせに、なんて君の台詞も愛おしくて、笑った。