ビルの屋上で空き缶に埋もれながら目覚める。
「なんでこんな場所に?」といった表情を見せ、誰もがそこにいる理由と経緯を覚えていなかった。たぶん星が綺麗に見えた夜だったからだとか、おまえの落とした財布を探す為だとか、そんな下らない理由を並べては笑い転げる。
僕は昨夜の事を覚えていたのだけれど黙っていた。本当は悲しい夜だった。太陽に奪われたアルコールを早く取り戻したかった。