数日に渡って同じ空模様だった。
梅雨前線が届かないこの街にもきちんと湿気と熱気は訪れる。傘をさす仕種すらマンネリ。濡れたまま歩くのも飽きてしまった。陽が見たい。渇きたい。報せの虹は要らない。いつのまにかに晴れてくれたらそれでいい。
煙草の先端に雨粒が当たった。
これじゃ雨宿りの意味がないよ、そんな表情を君が見せるから頷いた。