2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

フライング。 嘘をついた君に、意地悪く暦を指して、そう笑った。 君にとって記憶とは、もう一度その瞬間を生きることなのだと思う。 逢えないだけでは忘れられない。つまりはそんなふうに。

彼は「さようなら」と告げ、君は「またね」と手を振る。 そんな君の挿話がいつしか本筋に変わり、グラスに入れた三個分の氷が溶けてなくなる頃、依存はその頃から始まっていたのね、と君は結論づけた。僕はどのタイミングでそのことを指摘しようか迷っていた…

失いたくはないだけで、ただ手にしている。 いけないことではないよね。ひとり言の様に訊ねる君の台詞に、そうだったら良いな、と思いながら「希望的な観測は好きかい?」と訊いた。君ははにかんだ後で小さく首を振り「質問をする時は、いつも答えを決めてか…