ちりんと、どこかの窓辺から聴こえてくる。 夏の終わりを見過ごしてしまったのは、そんな外し忘れた風鈴のせいなのだと思う。アスファルトに染み込んだ雨も、誰かが零した悲しみも、帰る雲を見失ったかのように漂う冷ややかな空気。街は夏の後ろ姿に誘われて…
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