2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

別に風鈴の情緒が分るようになった訳じゃない。 だけれど、たいして涼しくもない風が奏でるその音のおかげで、なんとか僕は生きているよ。 必要以上に照る太陽は今が夏だという事を分かっているらしい。大雨が通り過ぎたばかりのこの街でさえ、数時間後には…

空き缶を並べた後、打ち上げ花火のように高く蹴り上げた。 奇声、走る、跳ねる、また蹴り上げる。転がる事を止めない空き缶をいつまでも追いかける。 冷えたアスファルトに座り込み、歳相応に乱れた呼吸を整えながら、次の行動に移るまで月を見上げていた。…

何処かの国の男女が出逢えたのかなんて、別にどうでもいい話。 隔てる河など無いのに、その一目だけでさえも叶わず泣いている人間はどれだけいるのだろうか。

繰り返す事は永遠ではなくて、いつかは終わるものだと言う。 たぶん僕らは大袈裟につくられたローテーションの中で忙しく走り回っているだけなんだろう。いつも同じ場所で転んだり、勘違いしてさ。

感情が反映されない生活を送る事はよくあることで、そんなことにも慣れてしまっていた。だから何となく分かっていた。相変わらずな日々しか僕らに訪れない事を。そう、本当は淡々と淡々と日々を送っているよ。今までも、きっとこれからも。いつだって。 僕ら…