2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月最後の一日はその月を象徴するかのように蒸し暑く、僕は何かの罰ゲームみたいに乾いた咽を鳴らす。一秒一秒、終りに向かい新月が始まろうとしている。僕が知っているものは終わりの後に何も残らないものばかりなのに。 そういえば、色彩を恋しがっていた…

帰り際に聞くには冴えない台詞。 そうだよ。また一週間が始まってしまったんだ。

午前三時に聴こえるスズメの鳴き声。 朝と呼ぶには早過ぎる報せだ。きっと他の何かを伝えたいのか。それとも鳴いているのではなく泣いているのか。そのうち心配に思ったカラスがやって来るから。それまでは起きててあげるよ。

新しいスポンジで食器を洗い終えるとやる事がなくなってしまった。 暇潰しに聴くには勿体無いRAVENの音で何とか堪えてみる。その後のBonnie Pinkでやる事を思い出し、メールで「スポンジ変えたよ」と打ち送信をする。たぶん一時間後くらいには電話が鳴り「変…

数日に渡って同じ空模様だった。 梅雨前線が届かないこの街にもきちんと湿気と熱気は訪れる。傘をさす仕種すらマンネリ。濡れたまま歩くのも飽きてしまった。陽が見たい。渇きたい。報せの虹は要らない。いつのまにかに晴れてくれたらそれでいい。 煙草の先…

現在も十年前も。いつだって嗄れた声で騒ぐのは同じ。 「変わったな」なんて言われてもそれを受け入れるだけのキャパシティが出来る迄はこんな感じなのだろう。 僕らは懐かしがってばかりで、いつかは見失ってしまうかもしれない。明日が待っている事が憂鬱…

吐き気の原因は分かっていたので、とりあえず携帯電話の電源を切り応急処置。そんな逃げ方しか知らないんだなと君は笑うのだろうか。 世界は日なたに置かれたペットボトルの中。閉ざされたキャップ付近に群がる水滴が僕。暑くても他の出口を知らないから、い…

昼に鳴り響く雷鳴。 あそこが晴れと雨の境目なんだと話した。空にひかれた境界線は少しずつ近づいてきていて、いつかはあの雨に僕らも濡れるのかな。そんな少しずつ近づいてくる様は何かにとても似ていて、だけど口にするのは止めた。僕らは待つのが得意だか…